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続編:
[些細な出来事なのダ]


1.  はじめに
2.  入院までの道のり
3.  HI病院 の住み心地
4.  入院その後、そして。。
5.  告知
6.  寛解導入療法
7.  お見舞いアリガトウ
8.  地固め療法
9.  福岡西方沖地震
10.  ダブル入院!?
11.  クリーンルームの住民
12.  再び「無菌室」へ
13.  退院へ
14.  一般病室のこと
15.  入院中に買ったモノ
16.  退院!!
17.  自宅療養
18.  復職後
19.  2006年の出来事
[1][2][3][4]
20.  2007年の出来事
[1][2][3][4]
21.  2008年の出来事
[1][2][3][4]
22.  2009年の出来事
[1][2][3][4]
23.  2010年の出来事
[1][2]
24.  あとがき

[些細な出来事なのダ]
に続く...


[ 番外編 ]
-  私も入院したのダ -
by YUKO

1.  入院
2.  眠れぬ病室の夜
3.  治療前の事
4.  闘病仲間
5.  その後
6.  洗濯 & HS温泉
7.  退院までのこと



Copyright 2005-2010 EISHIN
[ 番外編 ]
◆◇◆◇ 私も入院したのダ ◆◇◆◇
by  YUKO


2. 眠れぬ病室の夜

入院第一夜がスタートした。
抗生剤は一日2回。午前1回午後1回だ。これが私の熱を下げてくれるであろう。

この点滴に私の予後がかかっているので、バシッと決めていきたい。が、いかんせん私も血管が埋没している人なので、腕に穴ぼこがたくさん空くことになる。
しかし初回は2箇所目で HIT したのでまあ良いほうだ。30分ほどで終了。

点滴に関しては、ホント看護婦さんによってサクッと終わる時や痛みに耐えても終わらない時などいろいろだった。必然、手の甲・手首・上腕・ひじの内側(左右)と挿せる所には全部トライして貰った。
一番ひどい時は、(液が)漏れているのに看護婦さんが、
「そんな筈はないでしょ」
などとのたまい、
「痛いです」「痛いっ!」
と何度も言ったら、やっとやり直し始めたとき。腹立ったなー。
患者の痛みを分かってくれよ〜。

モットひどい時は手の甲に挿した後、ずれ予防のためか包帯でぐるぐる巻きにされたとき。
あまりに固定が強引だったので、点滴のラインが包帯で圧迫され、止まってしまっていたのだ。いつまでも終わらないので変に思い、通りかかった看護婦さんに見てもらった。
その人はベテランらしく見てすぐに、
「ありゃ−、これはまた。しっかりとめてますねー」
その後、点滴液が全く下りていない上、漏れていたことが判明した。微妙にずーっと痛かったもんね。その看護婦さんは、後に婦長さんだったことが知る。犯人は懲らしめられたことであろう。そうであることを祈る・・・・。

さて、初日の夜に話を戻す。落ち着いたのでもう寝ようかと思ったのだが・・・駄目だった。体は高熱を発しているし、一日が目の回るような事態の連続で疲れきっているはず。しかしアドレナリンかなんかが出ているようだ。
夜になれば寝付けるかなーと考えていると、看護婦さんがやってきて、
「夜眠れるお薬をだしましょうか?」
睡眠薬か。私はこのトシになるまで睡眠薬のお世話になったことは無かった。
それを使うほど私は病人様になったのか?
気分的には昨日の時点との差は殆どないし、すぐに何とかなる病院内に居るのだし。不安は減っているから必要ないと判断、断った。
消灯までTVでも見ようと、横向きに寝転んでTVを見ているときだった・・・・・

「?!!!!!」
激臭。
くさい。何か、わけが分らないくさい匂いが、どこからか臭ってくる。最初は自分だろうと思った。必死で体のあちこちを嗅ぎまわる私。だが、匂いの源は其処ではなかった。次に疑ったのは廊下側の隣の人だ。
なんか鼻にチューブをつけ、吐きそうな咳をしているので、口が臭いのでは!? と思ったのだ。ベッドとベッドの間のしきりになっているカーテンを必死に隙間無く閉め、匂いを防ごうとした。が、ますますきつくなっただけだった。
耐えられない・・・・

起き上がった私は、静かに部屋を出て、ナースセンターへ行った。
「すみません。」
「はい?どうされました」
「すみません、○号室の○○(私の姓)ですが。なんか部屋が臭いんですが」
「はぁ?」
「臭くて我慢できないので、何とかなりませんか?」
「???」
とりあえず一緒に来てくれて激臭現場に到着。すると表情が(あっ)と言う感じに変わった。ササーーっと一番窓際のおばあちゃんのベッドの仕切りへ行き、室内便器の中身を取り出し運び出したのだ・・・・・・

あの匂いって・・・・・
しきりに私に謝りながら、看護婦さんはてきぱきと片付け、窓を全開にしてくれた。ショックを受け、ボー然とする私。隣のあの "愛くるしくボケ気味で耳が思いっきり遠いおばあちゃん" が私を苦しめていたとは・・・・。
そしてあの匂いが何か分らなかったとは・・・・。

まつがって違う人を疑っていて、ごめんなさい。ただ当初、隣の「カーッ!ぺ おばさん」を疑っていたので、カーテンを思いっきり引っ張っっていた。そのため、おばあさん側のカーテンがより空くことになり、結果よけい匂いに苦しむこととなる。
自業自得、疑った罰は受けていたと言えよう。

あー、入院生活初日にして、もううんざりだ。
早速旦那に電話し、顛末を報告する。すると先輩患者から以下のような忠告が!
「とにかく看護婦さんにくさい! とアピールすること。そうすりゃじきに何とかしてくれるはず」
との事であった。うーん、長きにわたる入院生活から生まれた生活の知恵。リアルな重みのある意見である。
早速そのアドバイスに従い、おばあちゃん(ヘブンリーシスターズと命名)が室内便器を使うたび、ナースセンターへ "中身を片付けてくれ" と言いに行くことにした。
だってあの匂いにはもう耐えられないんだもん・・・

さて、夜はふけた。消灯は10:00PM。その後はTVも見てはいけないし、即刻睡眠することになっているらしい。人によっては枕もとのライトで読書やなんかをしていると思われるが、それもずーっとするのはマナー違反だろう。
私も早々に寝る事にして、身支度を済ませ横になる。10:00になると看護婦さんが廊下のスイッチをがちゃん、ガチャンと切っていき、真っ暗になった。
ああ、大変なことになったなぁ・・・
旦那はすごく心配しているだろう、自分だって具合が悪いのに。
これからどうしたらいいのかな、私ら・・・
などと考えている間に寝たらしい。が、眠りは浅かったらしい。隣でヘブンリーシスターズがトイレを使っている!

早速、真っ暗な廊下を通ってナースセンターへ。
「あのー」
誰も気づかない。看護婦さんも夜は少ないなー。
「あのー、すみません」
暗がりに立ち尽くす私にやっと気づき、びくっっ!! とする看護婦さん約2名。
「ど、どうされました?」
便器を変えてくれるように頼みまた部屋へ戻る私。これを後2回ほど繰り返した。
その夜は当然良く眠れなかった。そこでまたナースセンターへ行き、「夜眠れるお薬」を貰ってのんだ。疲れたす・・・・
病気なのになにやってんだ、私・・・・

入院ってヤダなー。旦那の辛さを身をもって体験し、ついに心底理解できるようになった妻。夫唱婦随だ。夫婦善哉。早くおうちに帰りたいス。




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