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続編:
[些細な出来事なのダ]


1.  はじめに
2.  入院までの道のり
3.  HI病院 の住み心地
4.  入院その後、そして。。
5.  告知
6.  寛解導入療法
7.  お見舞いアリガトウ
8.  地固め療法
9.  福岡西方沖地震
10.  ダブル入院!?
11.  クリーンルームの住民
12.  再び「無菌室」へ
13.  退院へ
14.  一般病室のこと
15.  入院中に買ったモノ
16.  退院!!
17.  自宅療養
18.  復職後
19.  2006年の出来事
[1][2][3][4]
20.  2007年の出来事
[1][2][3][4]
21.  2008年の出来事
[1][2][3][4]
22.  2009年の出来事
[1][2][3][4]
23.  2010年の出来事
[1][2]
24.  あとがき

[些細な出来事なのダ]
に続く...


[ 番外編 ]
-  私も入院したのダ -
by YUKO

1.  入院
2.  眠れぬ病室の夜
3.  治療前の事
4.  闘病仲間
5.  その後
6.  洗濯 & HS温泉
7.  退院までのこと



Copyright 2005-2010 EISHIN
[ 番外編 ]
◆◇◆◇ 私も入院したのダ ◆◇◆◇
by  YUKO


4. 闘病仲間

私は入院中に一度、病室を移っている。つまり二部屋、経験しているわけだ。このときに印象に残った人たちを紹介する。


◎ 最初の部屋

<ヘブンリーシスターズ>
クチが悪くて申し訳ないが、そのまんまである。私の隣窓側のベッドのおばあさん。いつももう一人のおばあさんがいるので、挨拶のときにその人にもお茶を渡す。
「あら」
「あら、悪いワー」
いえいえ、お世話になりますね。ところがこの二人、ただの仲良しサンではなく姉妹であった上、妹さんは隣の病室に入院中。二人とも限りなく耳が遠く、かなり黄昏た"おつむ"の持ち主であった。
「あなた、ご飯食べた?」
「はあ?なんて?」
「ご飯は食べたとねって」(博多弁)
「はあ?」
「だからご飯は? 食べられたねって!」
「はあ? ・・ 何言いよるかさっぱり分らん」
「はあ? なんて?」
以下入れ替わって繰り返し。
さらに妹は(私の隣の)姉より多少体力があるらしく、夜は徘徊して回り、ぐっすり寝ている人のベットのカーテンをばっと開け、他の患者をびびらしているらしい(※自分のベッドがどこか分らなくなったのだ※)。
お茶をあげたのだって、果たして覚えているかどうか・・・

<カーッ!ぺ おばさん>
私の廊下側のお隣さん。なんかよく判らないが、気管支に異常があるらしく、鼻に酸素チューブをつけている。そして時々激しく咳き込んでいて苦しそう。咳き込み方があまり激しいので最後はオエーーーっ、ペッとなるのが常で、こちらもつられてオエーーーっとなるのであった。でも気さくに声をかけてくれるいい人。よく旦那さんがお見舞いに来てた。

<朗読おばさん>
ヘブンリーシスターズの向かいの人。品のいい学校の先生を退職した人って感じだが、実は一人で日本昔話みたいなのをずーっとお話される方であった。
最初は、朗読デモ聞いているのだろうと思い、音を出すのは控えるのがエチケットだろうがっ!などと思っていた。が、実は自分でちっちゃ−い声で話していたのだ。こわい。消灯後も暗闇のなかで響く、何かの昔話。かんべんしてちょ。

<お若い方>
唯一、何の問題も無い人。若い女性だったが比較的元気だし、自分ひとりで何でもできるし、ぜんぜん問題行動など起こさない人だった。ので印象がナイ・・・・・・
ただ朗読おばさんの隣のベッドだったのでひどく気の毒であった。


私は入院2日目に部屋替えになった。"ヘブンリーシスターズが一緒になれるように"、と言うか私が室内便器の掃除ばかり言いに行くから替えられた。
ところで、私がいた病棟は患者の入れ替わりが激しく、毎日出る人入る人がいる。2番目の部屋に移る時にはそれが分かっていたので、いちいちお茶を配っても無駄だと悟り、挨拶も無しにした。


◎ 2番目の部屋 (レディな人、ばっかだったなー)

<行き倒れレディ>
HS病院はターミナル駅に近いので、駅から直送の患者さんがよく来る(旦那の付き添いに行く途中、私も運ばれる人をよく目撃したものだ)。
若くて結構お金がありそうで、良いお家のお嬢様って感じの人だが、山口から買い物に来たら駅で倒れてしまったらしい。検査の結果、重篤な病気の兆候があるので退院させてもらえず、かといってこんな家から遠く離れた病院で養生する気はない。
彼女は3日間いたけど、いつも看護婦さんや医師に「帰らせて」「いつ帰れる」と、そればっかりたずねていた。ただ保険証も無くいろんなことで困っていたせいか、恐ろしく愛想はなかった。家の人がぜんぜん来ないのは、ちょっとかわいそうだったな。

<ミスターレディ?>
私が退院する2日前に入院したきた人だが、実は入院前、外来で診察を待っている時に会った事がある。あまりに印象が強く、すぐに思い出した。
どう見ても、"近所の中州のフィリピン・オカマバーのママさんが肝臓壊して入院" と思っていたのだが、本物の日本人でしかも女性だった(息子が面会に来てた)。
おまけに職業はなんかすごいリッチな商社の社長秘書か重役みたい。肺炎だと言われたが仕事が忙しいため、解熱剤とか薬でごまかし1ヶ月働いた結果、入院する事になったらしい。入院するのにフェラガモのパンプスにドレススーツだったよ。・・おいおい・・

<お引きずりレディ>
本当はこんな放送禁止用語の方ではナイ。普通の主婦の方。なんでもアレルギーが激しくなり、呼吸が苦しくて救急車を呼んだとか。夜12時ぐらいに入院してきた。体中に発疹が出来て痒くてたまんないとかで、看護婦さんが薬をつけて擦ったりしていた。
そんなのは良い、病人だからね。でも私が "生理的に嫌いな色気(?)振りまきタイプ" の方で、ネトーとした喋り口や、娘(中学生ぐらい?)に甘えて喋っている様子には、虫唾が走った。
  「いやぁーん、ママに今お家に帰れって言うのぉ?」
こんな感じ。50近い年恰好でキモチわるー!!! また娘が何を考えてか、ヒラヒラのタンクトップ1枚で見舞いに来たりするので、近所の男部屋の親父がうろついてきたりした。それが嫌だった。

<鳥頭ファミリー>
この人らには一番腹がたった。主役の患者はおばあさんで、その子供らが付き添いで来ていた。おばあさんがは検査入院で入ってきたのだが、具体的にどこに異常があるかはっきり分らないらしい。院長自ら問診に来た時も、要領得ない感じでずーっと代わりばんこに喋っている。なぜか患者本人はぜんぜん喋らないのだ。
院長「今日はどうされました?」
娘1「手が痺れて・・・・ お習字が出来ない」
娘2「春ぐらいから足が痛む・・・」
口々に歯切れ悪く、訴える娘ら。何の病気を疑っているの?
院長「ふんふん、それでかかりつけのお医者はなんと言われたのですか?」
娘1「最近になって疲れやすい・・ お茶碗をおく時、ガチャンという・・・」
娘2「手が痺れて・・・」
こんな感じで娘らが説明する。
院長「・・・・・特にお医者は行ってない?」
娘1「ずーーーとお薬だけ貰ってます」
娘2「なかなか直らなくて・・・」
娘1「昨年8月に打った所為では・・・・」
延々と続くのかと思いきや、院長がちょっと大きい声を出し、
院長「どんな病気ですかっ!!!! 何の薬!!!」
娘ら「スイミン剤」
院長「・・・・・」
まとめると・・・
おばあさんが階段でかかとをぶつけ、半年後に手が痺れたので検査をしたい・・・
こういう事らしい。
これじゃーなー。院長、Petit切れ(プチキレ)してたよ・・・。ぶつけたのは去年らしいし。
ちなみにコネで検査入院することにした模様。なんでも息子が院長の同級生らしい。
院長「それは脳神経外科ですね。ウチの病院じゃない所で見ていただいたほうが良いですね。念のため、○○の検査をしますので。それが済んでお帰りください」
娘1「今までのところが脳神経外科ですけど・・・」
院長「・・・・とにかく検査をしますので。それが済んだら明日お帰りください! 後はかかりつけの先生に相談してください!!!!」
鳥頭ファミリーは「明日帰れるって、よかったワー」と大喜びであった。
何しに来たん、あんたら?
ちょっと分りづらいかもしれないが、彼女等が母親を検査入院させたのは、この病院が "名の通った企業が指定病院にしているから" であろうと推測された。
患者も少しは病気とか何かの知識をもって来いつっーの!
いやおう無しに病院で暮らしている旦那や他の患者の辛さを思うと、この人らの病気に対してのテキトーさ(考え無さ)が、本当に腹立つばかりでした。ブルジョワめ!
おまけにずーーと付き添いにいるので、くだらない話が聞こえてもう嫌だったーーー。ステーキのお肉を配達してもらうかどうかを議論しているなどetc...
・・・ 2日で出て行ってくれて良かったス。


色々と同室の人々とのエピソードを思い出すにつれ、一つだけ考えたことがある。
それは、≪付き添いは周囲に迷惑をかけないこと≫ と言うことだ。
当たり前だけど簡単ではない、ということを患者になって実感した。
付き添いはある程度の時間、患者の傍にいる事になるので、当然(その空間が個室でない限り)同室の患者とも一緒だ。自分の身内のために良かれと思って居るのだが、隣のベッドにも人がいることはつい忘れがち。
でも、自分の家族も重い病で苦しんでいるが、隣の人も同じなのだ。

「"私が入院する少し前から、旦那と同室だった患者" の奥さん」は、3週間ぐらい風邪で咳をし続け、しかもマスクをしていなかった。その上、平均して午前10時から午後6時くらいまで在室(クリーンルームなのに)。
途中、私が風邪を引いて入院騒ぎだ。当然、風邪の発信元は隣の奥さんだと思ってしまう。本当のところは分らない。でも、旦那がどれほど怒ったことか・・・

反対に私が入院した事で、旦那がいた病棟の他の患者さんは不愉快だったに違いない。知らなかったとはいえ、私がどんなウィルスをばら撒いたのか、すごく不安になったことだろう。もし感染したらどうしてくれる! そう思っても当然だ。
本当に申し訳ない。せめてもの救いはオタフクじゃなく、感染力も低いものだったこと。なんのウィルスなのかは不明なんだけど・・・

血液内科に限ったことではないけれど、彼らが入院しているのは治るため。私ら家族はなるべく患者を支え、尚且つ他の患者の迷惑にならないようしたいものだ。
出来ることならば、全員無事に退院させたい。
その為に付き添いや見舞い客は健康管理をきちんとし、感染源になりそうなときは病院に来ない! これを厳守すべきだ。もちろん隣のベットの人に迷惑をかけないよう、うるさくしない、大挙して見舞いに行かない、これも最低のマナーだ。患者は「家がいいよー」「帰りたいよー」と思いながら闘病している。いらいらしてる人もいっぱいだ。そこを汲んで行動したい。




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